寄り道のススメ

関西を中心にぼちぼち芝居しています ののあざみ のblog

死ぬということ。生きるということ。

先週末は祖父のお葬式に行って、急いで帰って店を開き、
土曜は唐組を観に行って春を感じ、日曜は和歌山へ出張、今日に至ります。
 
祖父のお葬式は、とてもいいお葬式でした。
祖父母の家で祭壇をこしらえ、ほぼ家族、親戚のみで行う家族葬
いつも祖父母が食事をしたりくつろいでいた居間が祭壇です。
棺の上には居間の照明がぶらさがっていて、生前まさに祖父が座っていた
場所に棺が横たわっているのです。
 
いつもの場所から送り出してもらえるのっていいな。
 
そんなことを考えながらお坊様の読経を聞いていると、般若心経に入ったところで
参列者の中から一人二人と一緒に読経する声が聞こえて最後はお経の大合唱。
会場が一体となって、故人をあの世に送ってあげている、その空気がとても心地よかった。
 
実は、今回の祖父のお葬式まで、骨をひろうことがなかったわたし。
 
近しい身内の死をどのように受け止めるのか、祖父の骨を前にしたとき
どんな心境になるのか、まったく想像できなかったのですが、
納骨室で祖父の骨に対峙したとき、考えていたよりずっと冷静な自分がいました。
 
独特の匂いが充満している部屋、あぁ、これが骨が焼けてる匂いなんだな、
お箸で持たないと熱をおびた骨はひろえないよな、骨壷には全部入るわけじゃ
ないのか・・・。
 
死のプロセスを順を追って見ることで、心の中で段々整理がつき、最後は
とてもスッキリした気持ちで火葬場を離れることができました。
 
お別れに行けてよかった。骨をひろえてよかった。
祖父の死ときちんと向き合えたように思います。